現代では、長さが1尺(約30センチ)に満たない刀を短刀と呼んでいます。しかし、短刀と呼ばれるようになったのは、廃刀令以降の話だそうです。当時は短刀を、刺刀・小刀・腰刀、などと称していました。当時の戦と言えば、槍や弓矢などを使って、離れたところから攻撃するというのがメインの戦い方でした。とは言え、もし接近戦になってしまった場合には、遠距離武器の弓矢はもちろん、リーチのある槍では戦えませんでした。そこで活躍していたのが、刀身の短い短刀です。いざという時の護身用として重宝されていたそうです。しかし天下泰平の時代になるど、戦そのものがなくなりました。そのため実戦で使われていた短刀の需要は少なくなってしまいます。現存している江戸時代中期の短刀はかなり少ないですが、動乱の幕末に入ると需要が高まり増えたと言われています。